【来るべき統一的作画史における概念整理①】系について

 

 

大仰なタイトルをつけてしまったものの、要するに自分なりに用語の整理がしたいというだけの話である。今回は「◯◯系」と呼ばれる表現を定義しておきたい。断っておくが、これはあくまでわたし個人の定義であり、一般的に確定されたものではない。

 

 

読者諸賢においても、作画を語る文脈で使われる様々な系統に困惑したことはないだろうか。知識薄弱なわたしは、そうしたことがしばしばある。また、巷で使われる「◯◯系」という用語には、広い意味を持つものもあり*1、文脈を追っていてもなかなかその意味が特定できない場合も多い。したがってこの場を通じて、少くともこのブログ内で扱われる限りにおいてのそうした用語の定義を与えておきたいのである。

 

また、ここでわたしのちいさな野望を語るとするのであれば、ある統一的な視座のもとで、日本のアニメーションの作画をまとめたい、すなわち、断片的にではなく、日本のアニメーションの黎明から現在に至るまでを、ひとつの歴史的文脈のもとに位置づけたいとする野望がある。こうした用語の整理は、わたしの野望に一条の光明を与えるものであろう。

 

さて、ではさっそく定義していこう。繰り返しておくが、以下の定義はわたしが個人的に観測した範囲での用法であり、用語と、それによって与えられる意味との間に一対一の対応をつけるものではない*2。また、間違いなどがあれば忌憚なくご意見頂ければと思う。

 

(未完成であるが、一旦記事の形で挙げておこうと思う。これは本ブログに更新の意図があるという意思表示のためである。)

 

i. 人名を冠する系

 

ii. その他の系

 ii-a.web系

 web系には{①出自としてのweb系、②運動としてのweb系}というふたつの意味がある。以下、順を追って説明する。

 ①出自としてのweb系とは、文字通り、webをきっかけとして商業アニメーターとしてデビューした一群の人びとを指す。デビューに至る過程としては、自身のページでgifを公開するなどし、それが業界人の目に留まる形でデビューを果たす、といった類型が多く見られる。

 この人びとの多くに共通するのは、動画経験を経ずいきなり原画デビューを果たしているということ、また、キャリアのスタートからしてgifアニメなどがきっかけであることから、デジタル作画への理解が深いこと、および、インターネット上での作画を語る文脈*3に親しいことなどが挙げられる。

 ②運動としてのweb系とは、沓名健一・山下清悟両氏の手によってはじめられた一連の運動、また、運動の推進力となった思想を指す。詳しくは両氏の手によって書かれた『新しい作画』*4を参照して頂ければと思うが、一言で言えば、商業的なアニメーションへのカウンターとして機能した運動である。(※この稿を書いている今、すぐさま参照できるところに『新しい作画』がないので、あとで参照のうえ加筆したい。)

*1:たとえばweb系という用語が挙げられよう。あとで詳しく触れるが、web系には①出自としてのweb系と②運動としてのweb系というふたつの意味がある。

*2:わたしはあくまで外野に過ぎない。それはアニメ制作という意味においてもそうであるが、作画ファンという意味においてもそうである。したがって共約不可能性の議論を持ち出すまでもなく、作画用語を正確な形で翻訳することは不可能であるといえよう。

*3:coosunの掲示板は作画を語る言説空間を提供したし、近年になって現われているweb系アニメーター(たとえばBAHI JD氏やらっパル氏)はネット上に

*4:現在ではbooth上で新訂版が頒布されている。(2017.09.16.現在)